平成20年度「一回目」・「二回目」・「三回目
平成21年度「一回目」


平成21年度 第一回 「あきんど塾」報告
緑が丘・黒石野商工業会 主催
平成21年度 地域活性化事業


『裁判員入門講座』
あなたも死刑を言い渡せます?!

4月17日(金)
緑が丘三丁目公民館にて、2009年度 第1回目のあきんど塾を開催しました。

講師は 岩手弁護士会の弁護士 吉田瑞彦氏

今年5月21日から始まる裁判員制度について、私たちが疑問に思い、知らない事をDVDを上映しながら分かり易く説明してくださいました。
ご自身の弁護士としての裁判員制度との関わりから、制度の沿革、陪審制、参審制との違い、裁判員制度の概要などを解説。
しかし、この裁判員制度の問題点についても、詳しくお話し下さいました。

もし、私たちが裁判員に選ばれたなら、参考になると思われる事柄を表示してみました。

裁判員制度の問題点
@ 過大な義務(拘束時間、守秘義務)→ 仕事への影響は?
A 事実認定能力は本当にあるの? → 専門家じゃないのに事実認定出来ますか?
B 量刑までやらせるの? → どの罪で どのくらいの罰を与えられる?
C 良心の自由を侵害しないの? → あなたに人を裁くことができますか?
D 苦役ではないの? → 喜んで人を裁きますか?
E そもそも、誰のため、何のためにやるの? → 知らないうちに制度が出来ていた
F メディア規制と予断・偏見の排除(無罪推定が貫かれるか) → マスメディアの嘘発表の怖さ
G 自白偏重はなくなるか? 取調べの可視化は実現するか? → 現状では・・・
H 労務管理をどうする? → 職場の管理者の苦悩





岩手県の住民は、盛岡地方裁判所で行われる裁判員制度対象の事件だけに選ばれます。他県での裁判に行く事はありません。
住んでいる地区から 盛岡地方裁判所までの交通費(公共交通機関利用)、宿泊が必要な場合は、その実費が支払われます。
法廷へ出る 服装は、常識の範囲内で、普通のもの。昼食などはご自身の負担。
法廷内での携帯電話・カメラ・録音機器等での通話・撮影・録音などは、禁止です。


最高裁判所・法務省・日本弁護士連合会のリーフレット抜粋

裁判員制度の紹介 平成16年5月21日「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が、成立し、平成21年5月21日から裁判員制度が実施されます。
 裁判員制度とは、国民から選ばれる裁判員が、刑事裁判に参加する制度です。 6人の裁判員と3人の裁判官が、ともに刑事裁判に立ち会い、被告人が有罪か無罪か、有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決めてもらう「国民の司法参加」を実現する制度です。
 国民のみなさんが刑事裁判に参加することにより、裁判が身近で分かりやすいものとなり、司法に対する国民のみなさんの信頼の向上につながることが期待されています。国民が裁判に参加する制度は、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア等でも行われています。
裁判員になることを
辞退できますか?
 広く国民のみなさんに参加してもらう制度ですので、原則として辞退できないことになっています。

 ただし、次のような人は、申し出をして、裁判所からそのような事情があると認められれば辞退することができます。

@70歳以上の人
A地方公共団体の議会の議員(ただし会期中に限ります。)
B学生又は生徒
C過去5年以内に裁判員、検察審査員を務めたことや過去1年以内に裁判員候補者として裁判所に行ったことのある人等
D一定のやむを得ない理由があって、裁判員の職務を行うことや裁判所に行くことが困難な人
(やむを得ない理由とは、例えば)
●重い病気・けが
●親族又は同居人等の介護・養育
●事業に著しい損害が生じるおそれがあること
●父母の葬式等、他の期日に行えない社会生活上の重要な用務
●妊娠中や出産直後(8週間以内)
●親族又は同居人等が重い病気・けがの際の入通院等への付き添い
●妻・娘の出産への立会い又は入退院への付き添い
●住所・居所が裁判所の管轄区域外の遠隔地にあり、出頭困難であること
●裁判員の職務を行うこと等により、本人等に身体上、
 精神上又は経済上の重大な不利益が生するような場合
裁判具に選ばれたら、
どのようなことをするのですか?
次のような仕事をすることになります。

公判に出席する(公開)

 裁判員に選ばれたら、裁判官と一緒に、刑事事件の審理(公判といいます。)に出席します。公判は、できる限り連続して開かれます。  公判では、証拠として提出された物や書類を取り調べるほか、証人や被告人に対する質問が行われます。裁判員から、証人等に質問することもできます。


評議、評決をする(非公開)

 証拠に基づいて、被告人が有罪か無罪か、有罪だとしたらどんな刑にするべきかを、裁判官と一緒に議論し(評議)、決定する(評決)ことになります。
 議論を尽くしても、全員一致の結論が得られない場合、評決は、多数決により行われます。ただし、有罪であると判断するためには、裁判官、裁判員のそれぞれ1名以上を含む過半数の賛成が必要です(これによって有罪とならない場合は、すべて無罪になります。)また、どんな刑にするべきかを決めるに当たっては、評議に参加した裁判官、裁判員のそれぞれ1名以上の意見を含む過半数の意見になるまで、被告人に最も不利な意見の数を順次利益な意見の数に加えていきます。
 有罪か無罪か、有罪の場合どのような刑にするかについての裁判員の意見は、裁判官と同じ重みを持ちます。

判決宣告(公開)

評決内容が決まると、法廷で裁判長が判決の宣告をします。
裁判員としての仕事は、判決の宣告により終了します。
裁判員は法律のことを知らなくても大丈夫ですか? 裁判員は、法廷で聞いた証人の証言などの証拠に基づいて、他の裁判員や裁判官とともに行う評議を通じ、被告人が有罪か無罪か、有罪だとしたらどんな刑にするべきかを判断します。例えば、目撃者の証言などに基づいて、被告人が被害者をナイフで刺したかどうかを判断することは、みなさんが、日常生活におけるいろいろな情報に基づいて、ある事実があったかなかったかを判断していることと基本的に同じであり、特に法律知識は必要ありません。なお、有罪か無罪かの判断の前提として法律知識が必要な場合は、裁判官から分かりやすく説明されますので、心配ありません。
 さらに、検察官や弁護人も、裁判員のみなさんに分かりやすい裁判が行われるよう努力します。
裁判員になったことで
トラブルに巻き込まれませんか?
裁判員の名前や住所などは公にはされません。評議の際にどの裁判員がどんな意見を述べたかは、明らかにされません。
 裁判員のみなさんの安全を確保するために、裁判員やその親族に対し、威迫行為をした者を処罰する規定が設けられています。
 なお、裁判員やその親族に危害が加えられるおそれがあり、裁判員の関与が非常に難しいようなごく例外的な事件は、裁判員が加わらす裁判官だけで裁判を行う場合があります。
裁判は時間がかかるのではないのですか? 実際の審理日数は、それぞれの事件の内容などにより異なりますので、一概には言えませんが、多くは3日以内に終わるのではないかと見込まれています。
 国民のみなさんの負担をできるだけ軽くするような運用に努めていきたいと思います。
裁判員には日当や交通費は支払われるのですか? 支払われます。

 なお、日当額については、上限1万円と定められています
裁判員になる可能性はどのくらいなのですか? 平成19年の資料を基にすると、裁判員制度の対象となる事件は、全国で2、643件でした。
 日本全国の選挙権を持っている人の数が約1億385万人(平成19年9月現在)ですので、1年間で裁判員になる確率は、約5、000人に1人となります
(裁判長6人、補充裁判員2人を選ぶとした場合)。
裁判員として審理に参加した経験を話すことは守秘義務違反になるのですか? 公開の法廷で見聞きしたことであれば基本的に話しても問題ありませんし、裁判員として裁判に参加した感想を話すことも問題ありません。
 守秘義務の対象となるのは、評議の際の裁判員や裁判官の意見の内容、多数決の人数、結論に達した過程などの「評議の秘密」と、事件の記録から知った被害者など事件関係者のプライバシーに関する事項、他の裁判員の名前などの「職務上知り得た秘密」です
裁判員や裁判員候補者が裁判所に向かう途中に事故にあった場合、 補償を受けることはできるのですか? 裁判員は、非常勤の裁判所職員であり、常勤の裁判所職員と同様に、国家公務員災害補償法の規定の適用を受けます。したがって、裁判員が、、その職務を果たすため裁判所と自宅の間を行き帰りする途中で事故にあった場合、同法の規定に基づき、補償を受けることができます。また、裁判員候補者についても、裁判員と同様に補償を受けることができます。


          講師略歴 (平成21年4月1日現在)

               岩手弁護士会 弁護士 吉田瑞彦(ヨシダミズヒコ)

所在 〒020-0021 盛周市中央通三丁目4番3号 共済ビル3階 吉田瑞彦法律事務所
          電話(019)   604-5521・FAX (019)   604-5522

 岩手県奥州市(旧水沢市)生まれ 昭和49年4月岩手県立水沢高校卒
 昭和54年3月 慶応義塾大学法学部法律学科卒。
 昭和61年11月 司法試験合格 平成元年3月第41期司法研修所終了
 平成元年4月 日本弁護士連合会第二東京弁護士会弁護士登録
 平成11年9月 岩手弁護士会に登録換(以下、岩手弁護士会省略)、現法律事務所開設
 平成14年4月 理事
 平成15年4月 副会長(〜平成18年3月)、東北弁連理事(〜平成20年3月)、調停委員
 平成18年4月 会長、日弁連理事、東北弁連副会長
 平成19年4月〜理事

弁護士会等の職務経歴(平成10年以降)
 日本弁護士連合会
   小規模単位会問題、情報問題対策、情報公開法民訴法問題対策本部、個人情報保護
   対策本部、代議員(H15.3〜)、取調の可視化実現委員会事務局(H16)、理事(H18)、
   小規模単位会小委副代表(H18)、弁護士業務推進センター(H19)、ADR委員会(H19〜)、
   新規登録弁護士研修講師(H19〜)等
 第二東京弁護士会(H1〜H11)
   法律相談センター、調査室嘱託(H6〜H10年度)等
 岩手弁護士会
   消費者問題対策、刑事弁護、法律相談センター、司法改革対策、紛議調停、宮古法
   律センター、民事介入暴力対策、人権擁護、理事(H14、H19)、副会長(H15〜17年度)、
   会長(H18年度)、司法支援センター対策、広報委員長、裁判員委員長(H17)、
   ADR委員長(H19)等
 東北弁護士連合会 理事(H15〜19年度)、副会長(H18年度)
 弁護団等 天安門事件在日中国人滞在ビザ 皇居ロケット弾事件刑事弁護(無罪)
   オランダ・イギリス等連合国捕虜POW従軍慰安婦国賠訴訟
      阪神淡路大震災法律相談出張支援他

 公職等
   法律扶助協会審査委員、盛岡市役所無料法律相談、北上市役所市民法律相談(H12.4
   〜14.3)、県消費者生活協同組合監事(H12.7〜14.6)、(財)県建築住宅センター確
   認検査・住宅性能評価監視委員(H12〜)、岩手地方労働審査会公益代表委員(H13. 1
   O〜15.3)、県精神医療審査会審査委員(H14.6〜)、盛岡市消費生活センター相談
   員(H15〜)、(財)県暴力団追放相談委員(H15〜)、盛岡簡易裁判所民事調停委員
   ・同家庭裁判所家事調停委員(H15〜)、県消費者保護対策審議会委員(H16〜17)、
   県中小企業再生支援協議会委員、保護司選考会委員、日本司法支援センター審査委
   員、県公益認定等審議会会長(H20〜)、県需用費調査検証委員長(H20)、県南広域
   振興局多重債務相談、内部者通報連絡先(岩手県、岩手銀行等)、下請かけこみ寺
   相談担当その他。

 講演・著書等
   有料老人ホーム講座、サスペンスドラマ法律監修、セクハラ対策講座、ハラスメン
   トシンポ、サラ金問題(自治体・法務局他多数)、民事再生法講義(税理士会)、
   盛岡市憲法記念日講演(H16.5)、裁判員フォーラムパネラー、下請代金法講習他。
   共著「被疑者取調べ可視化のために」(日本評論社)他。

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